2019-06-03から1日間の記事一覧

事業仕分けされるJETプログラム

文化政策には目先の数値や効果とは異なる尺度が必要な場合もある。その好例がJETプログラム(語学指導等を行なう外国青年招致事業)だ。元々は外国語教育と国際交流の促進支援を通じた日本の地方自治体の国際化を目的として一九八七年に始まった事業だが…

不断に生じる境界線の再編

「米国人の社会学者があるセミナーで吐露したエピソードは興味深い。少年期にハバナ(キューバ)からマイアミ(米フロリダ州)に移住した彼は、ずっと「よそ者」感覚に苛まれ、全米有数の大学で教鞭を執り始めてからも、自らを「キューバ人」と紹介し続け、…

マンネリ化する構築主義

「構築主義の考え方には大きな影響を受けたものの、それとて、ある程度慣れ親しんでくると、いわば食材こそ違え、調理法も完成品もマンネリ化している気がした。「初めに結論ありき」のごとく、権力批判そのものが目的であり、結論であり、正義であるかのよ…

「イデオロギーの絶対性と真性性を問うことは不毛」

「保守とリベラル、右派と左派、現実主義と理想主義、タカ派とハト派、性悪説と性善説、悲観主義と楽観主義……。「二項対立の発想は古い」と繰り返されてはいるものの、社会や文化にまつわる自らの立場をこうしたイデオロギーの座標軸に位置づけようとする誘…