「自尊感情の衰退」(小谷敏)

ジェラシーが支配する国

「自分を苦しめている者にストレートに怒りをぶつけることのできる人間は、誰かが弱い者をいたぶっているのをみて、カタルシスを覚えたりはしないからです。自分の誇りを踏みにじられても怒ることをしない、大人しい、そしてふがいない日本人の増大が、本書が論じてきたさまざまな現象の背後にはありそうです。」(pp.279-280)