教えすぎる先生=考える力を奪ってしまう先生

林修の仕事原論

林修林修の仕事原論』青春出版社、2014年より。

※強調は引用者。

「僕は人に本をすすめません。読みたい本は自分で探すべきだというのが持論です。書店でもネットでもあふれるほどの本の情報があるこの時代に、自分が読みたい本を見つけられないというのは困った話です」(p.169)

 

「僕は生徒に対しても、手取り足取り「こうやってやるんだよ」と導くようなことはしません。できるだけ良質な「考えるヒント」を与えること。これが僕の授業の目的です。「よい種」を生徒に渡して、あとは本人の努力で上手に育てていってほしい。そういう考えです」(p.169)

 

「しかし、実際には、教えたがりというか、教えすぎる講師がほとんどです。「わからせます!」などと叫ぶ講師を見ると、本当に情けなくなります。勉強って、そういうものではありませんからね(なぜ、その講師はそんなことを言うのかといえば、結局、本人自身があまり勉強の本質がわかっていないからなんです。だから、「わからせる」などというバカげたことを口走る)」(pp.169-170)

 

「また、自慢の「必殺の解法」などを売りにする講師も少なくないのですが、それは単に「覚え方」にすぎない場合が多く、次から次へと「覚え方」を教えて、結局、自分の頭で考える力を奪ってしまう講師が少なくないのです。」(p.170)

 

「「覚え方を教えてもらう→(気合いで)覚える→点をとる」。こういうリズムにはまってしまうと、大変なことが起きます。社会に出ても、「こうやれよ!」と誘導してくれる人がいない限り、自分では何もできない人間になってしまうんです」(p.170)