86歳のTwitterおばあちゃん

何がいいかなんて終わってみないとわかりません。 (単行本)

ミゾイキクコ『何がいいかなんて終わってみないとわかりません。』KADOKAWA、2016年より。

 

86歳のTwitterおばあちゃんとしてテレビで何度も紹介されているミゾイキクコさん。インパクトの大きいつぶやきの中から選ばれたものを収録している。

 

中には今の自分の状況にぴったりのものもあり、そのたびにこれらの言葉の裏にどれほどのすさまじい経験があったのだろうと想像する。

 

以下は印象に残ったつぶやき。

 

自立には二種類あります。一つは物事ができること。一つは精神の問題。確たる自分がある人は自分を大切にします。そして他人のことも認めます。自分の無い人は、覚悟ができずに愚痴ったり、世迷言をいいます。そして他人を批判します。だから大人には自立して欲しいですね。(p.6)

 

自分のしたことは自分に返る、

それは当たり前のことなのだ。

その人が生きたように死んでゆくのだ。(p.9)

 

自立もできない人に本当の愛情などありません。

それに気づかない人がいる。

自分のこともできない人に

他人のことなぞ理解できません。

そしてそういう人は、他人に多くの迷惑をかけるのです。(p.11)

 

自分がされて嫌だったことは、

人にもしないと考える人と、

自分がされたんだから

今度は私がやる番だと思う人。

後者は品性下劣。(p.17)

 

攻撃すれば、反撃にあう。

これは当たり前のことです。

だからそういうことは呟きたくない。(p.26)

 

若い時は周りの人にいろいろ注文をつけたがりますが、

それって自己中心的なんですよ。

相手を自分と同じにしたい、

同じでなければ認められない的な。

でも年とともに気がつきます。相手もそうなんだ、

だったら認め合うしかないんだと。

そうすることで人を理解できるのだと。(p.38)

 

考え方が違うといっても、

それに関する知識をより多く持つと、

考え方が変わることはままあります。

つまり自分が持っている知識を基に

考えるわけですから、考えが違うからといって

対立するのは下の下と思っています。(p.40)

 

いつの世も弱者は切り捨てられます。

決して良いことではありません。

まず自分がそれにならないように頑張る、

その上でできる手助けはする。(p.63)

 

人には生まれながらに差がある。

それを認識することは必要だ。

それを知らせることと差別とは別なのだ。(p.66)

 

子供に先立たれることはどんなに辛いことでしょう。

亡くなられる方もどんなにか

心残りだったと思われます。

戦争にはそういう辛いことが多いのです。

決して勇ましい話などないのです。

相手の国もそうなのですよね。(p.115)

 

私が嫌いなセリフ。

「私は尽くすタイプ」「ずっと尽くしてきた」。

こんなこと言うのは何なのだ。

支え合い補い合って生きる二人(男女)が

尽くし合うのは当たり前。

ことさらにそれを言われると吐き気がする。(p.133)

 

男と女の違いを考えてみると、

男はあれも欲しい、これも欲しい、女は欲しい物は一つ。

だから、いらなくなった物はきれいサッパリ捨て切れる。

男はこれも、あれも、手にしていたい。

だから切れないのだ。別れなければならない相手とでも。(p.136)

 

変な男とかかわって、とんでもない被害にあう女もいるが、

逆に変な女に捕まって、とんだ目にあう男もいる。

離婚裁判している俳優なんかその類かも。

大変だなと同情もするが、半面、

なぜそんな女と結婚したのか、と思ってしまう。

19歳や20歳ならいざ知らず、四十面下げて。(p.143)

 

遊び相手や恋愛対象にいい男と、

結婚相手としていい男とは

少し違います。

相手の人生を背負うかどうか、

その重みを嫌う人は

結婚相手には不向きです。(p.146)

 

相手をよく知らなかったから

好きだったということはよくあること。

好きだから乗り越えられるのではなく、

信頼があるから乗り越えられるのです。(p.151)

 

好きなんてこと、そうそう続かないよ。

信頼は時間とともに深まるもの。

信頼できる人を選ぶことが肝心要。(p.152)

 

自分が大切にしてこなかった者に、

大切にしてもらおうなんて思うな。

身勝手というもの。(p.160)

 

今朝NHKで、

40代夫婦の60%がセックスレスと言っていた。

ゲストの女性たちも、相手とどうコミュニケーションを

取ったらいいかわからないと言っていた。

言葉ですることはないと私は思う。

言いにくいが、

優しく性器をなでてやったらいいのにと思った。(p.167)

 

幸せなんて

普通わからないものなんですよ。

無くなってわかるようなね。

当たり前になってしまうこと。

それはすごく幸せなことなのです。(p.184)