「あなた自身がつくったこの無関心な世界によって、あなた自身も誰かに空気扱いされている」(村本大輔)
村本大輔『おれは無関心なあなたを傷つけたい』ダイヤモンド社、2020年より。
志村けんさん以外でもたくさんの人たちがコロナで亡くなり、テラスハウスの女の子以外でもたくさんの人たちがネットの誹謗中傷で命を断っている。
知っている人が死なないと意識しない。有名な人が死なないと意識しない。
有名人が亡くならなくてもコロナを自分ごとにし、有名人が自殺しなくてもそれを想像し、危機感を感じられないのだろうか。
なんなら、電車で誰かが飛び降りて死んだら「どこで死んでんだよ、迷惑かけるなよ」と言うような人たちもいる。誰かが飛び降り自殺をしようとしたら、スマホのカメラを向ける人たちもいる。仲間に承認されたくて必死なんだろう。(pp.265-266)
無関心な人たちは孤独だ。それは、あなた自身がつくったこの無関心な世界によって、あなた自身も誰かに空気扱いされているからだ。
だから孤独を感じ、誰かの死すらも「いいね」をもらうために利用する。知らない人たちは風景だから。死のうが生きようが、風景だから。
お前が誰かを風景にするということは、お前も誰かに風景にされるということだ。風景にしていいということは、自分の悲劇も風景にされるということになる。
風景にしていいというルールは、すべてが自己責任になる。「知らんがな、お前のことだろう」は、お前が困っているときにも「知らんがな、お前のことだろう」になる。
風景にするということは風景にされるということ。お前があいつに無関心だということは、あいつもお前に無関心だということ。だから日本は先進国の中で若者の自殺率が1位なのかもしれない。(p.266)