マララ・ユスフザイ国連演説要旨

マララ・ユスフザイさん国連演説要旨(朝日新聞2013年7月14日付)

「マララ・デー」は、権利を訴える全ての女性や子どもたちの日だ。女性や子どもたちのために、教育を受ける権利を訴えたい。何千人もの人がテロリストに殺され、何百万人もが負傷させられた。私もその1人だ。その声なき人々のためにも訴えたい。教育の権利や機会の平等、個人の尊厳のために戦う人々のために。


テロリストは私と友人を銃弾で黙らせようとしたが、私たちは止められない。私の野心、希望、夢は何も変わらない。


私は誰にも敵対はしない。全ての子どもたち、タリバーンやすべての過激派の息子たちや娘たちに教育を受けさせたい。全ての人々に平和と愛を。暗闇を見る時、光の重要さに気づく。沈黙した時こそ、声の重要さに気づかされる。


過激派は本やペンを怖がる。教育の力、女性の声の力を恐れる。テロリストはイスラムの名を自分の利益のために不正に使っている。パキスタンは平和で愛すべき、民主的な国だ。


平和は教育のために必要だ。世界の多くの地域で、テロリズムや戦争、紛争が子どもの教育の機会を妨げている。女性の権利、教育にも力を注ぎたい。女性が最も苦しんでいるからだ。女性は男性に権利のため立ち上がれと呼びかけてきたが、今回は私たちの力でやっていこう。


すべての政府に、無償の義務教育を保障するよう求める。世界中、すべての子どもたちのために。そして、テロや暴力に反対し、子どもたちを残虐行為から守ってほしい。


世界中の姉妹たち、勇敢になって。知識という武器で力をつけよう。連帯することで自らを守ろう。


本とペンを手に取ろう。それが一番強い武器。一人の子ども、先生、そして本とペンが世界を変えるのだ。教育こそがすべてを解決する。

http://www.asahi.com/international/update/0712/TKY201307120455.html