「音楽家は政治になんの貢献もできないが、好奇心の欠如という病に向き合うことはできる」

第8章「文化・スポーツ活動と心の平和構築」(福島安紀子)より (下線は引用者) 「オーケストラ指揮者ダニエル・バレンボイムはイスラエルとパレスチナの和平を願って、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団を設立し、毎年夏に合宿し、世界各地で公…

文化外交の成果測定の難しさ

「文化活動(文化外交や交流外交)の成果は長期的スパンで評価する必要がある。例えば、アレクサンドル・ヤコブレフが米ソの交換留学生として一九五八年に一年間コロンビア大学に留学したことの成果は、彼がミハイル・ゴルバチョフ政権のナンバー2としてペ…

「人間性という歪んだ材木からは、真直ぐなものはかつて何も作られなかった」

(下線はすべて引用者) 「アマゾンの最深部で一万年以上、独自の文化・風習を守り続けているヤノマミ族。文化人類学の教科書でもしばしば取り上げられる部族だが、NHKはブラジル政府、および部族の長老七名との一〇年近い交渉の末、TV局として初めて長期(…

社会科学の軍事的関与

渡辺靖『文化と外交:パブリック・ディプロマシーの時代』中公新書、2011年より (下線はすべて引用者) 「二〇〇一年の同時多発テロ事件後、アメリカ中央情報局(CIA)は(中略)奨学金制度を通して、文化人類学や地域研究を専攻する学生の確保に乗り出して…

「異文化交流が親しみをもたらすとは限らない」(フルブライト)

渡辺靖『文化と外交:パブリック・ディプロマシーの時代』中公新書、2011年より 「イギリスのローズ奨学金をモデルにフルブライト奨学金を創設したアメリカのJ・ウィリアム・フルブライト上院議員は、一九六一年、アメリカ連邦議会上院で次のように証言して…

博士論文と孤独

「大学院生時代、特に博士後期課程やオーバードクター(博士課程を終えても定職にありつけない状態)の時代に、論文がうまく書けないときなど、同じ世代の友人たちはみんな頑張って働いて、結婚したり子どもをつくったりしているのに、自分はいったい何をし…

「忙しすぎる=スケジュール管理に失敗した証」

「「忙しい」こと、とりわけ忙しすぎることは、決してよいことではなく、スケジュール管理に失敗した証として、むしろ、恥じるべきことなのです」(p.88) 「私はあえて断言しますが、忙しいこと、人づきあいが多いことなどは、どちらかというと“浅い”人生を…

孤独、失恋、離婚

諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』NHKブックス、2001年より 「離婚を「夫婦関係がどうしようもなくなった場合の最悪の選択」と考えるのでなく、「運悪く夫婦のマッチングが悪かった場合に、それに固執せず、新たに仕切り直すための前向きな選択」と受け…

「良き反面教師」としての太平洋戦争

保阪正康『あの戦争は何だったのか:大人のための歴史教科書』新潮新書、2005年より (下線は引用者) 「あの戦争では「一億総特攻」とか「国民の血の最後の一滴まで戦う」などといったスローガンが指導者によって叫ばれた。馬鹿なことを言いなさんな、この…

安保論争

細谷雄一『安保論争』ちくま新書、2016年より 「安保関連法に反対する人々は、平和を求めて、戦争に反対している。安保関連法を成立させた安倍政権もまた、同じように、平和を求めて、戦争に反対している。どちらかが間違っているのだろうか。あるいは、どち…

「苦」に弱い現代社会

上田紀行『生きる意味』岩波新書、2005年より 「真に豊かな社会とは、「これだけ豊かになったのだからこの程度の「苦」ではびくともしないよ」と胸を張れる社会であろう。 ところが、私たちは到底そう思えない。それどころか、「苦」に直面した中高年は若者…

仏教の「絶対にごまかしてはならないこと」

魚川祐司『仏教思想のゼロポイント:「悟り」とは何か』新潮社、2015年より 「ゴータマ・ブッダの教えは、現代日本人である私たちにとっても、「人間として正しく生きる道」であり得るのかどうか、ということである。 結論から言えば、そのように彼の教えを…

「プレッシャーのおかげで生きている意味を感じられる」(イチロー)

デイヴィッド・シールズ編『イチローUSA語録』(永井淳/戸田裕之訳)集英社新書、2001年より 「異郷シアトルで暮すことに不安を感じるかときかれて、イチローはこう答えた。 『まだ英語も話せないし、プレッシャーは大きいです。ものの考え方や習慣が違うの…

「太平洋戦争開戦直前の日米戦力比は1対10」

「太平洋戦争開戦直前の日米の戦力比は、陸軍省戦備課が内々に試算すると、その総合力は何と一対一〇であったという。米国を相手に戦争をするに当って、首相、陸相の東條英機が、その国力差、戦力比の分析に、いかに甘い考えを持っていたかが今では明らかに…

近現代史の忘却

保阪正康『あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書』新潮新書、2005年より (下線はすべて引用者) 「現在、私はある私立大学の社会学部などで講座をもっているのだが、学生たちの多くがほとんど日本の近現代史を知らないことに驚かされる。聞くと、…

「自尊感情の衰退」(小谷敏)

「自分を苦しめている者にストレートに怒りをぶつけることのできる人間は、誰かが弱い者をいたぶっているのをみて、カタルシスを覚えたりはしないからです。自分の誇りを踏みにじられても怒ることをしない、大人しい、そしてふがいない日本人の増大が、本書…

「法律リテラシー」の必要性(敷金・職質・保証人)

烏賀陽弘道『敷金・職質・保証人――知らないあなたがはめられる 自衛のための「法律リテラシー」を備えよ』ワニブックスPLUS新書、2018年より 「「市民が知らないままでいる」状態ほど、制限のない力の行使を望む人たちに好都合な環境はありません。」(p.285…

逆風は快楽である(上野千鶴子)

上野千鶴子『上野千鶴子のサバイバル語録』文藝春秋、2016年より 「逆風は快楽である 「逆風に強い」とも言われたことがある。 ひんしゅくは買うもの、とばかり、他人のいやがることをしてバッシングを受けると、来た来た、来た、と身構える。全身の神経が狩…

「巨大なる凡庸」としてのテレビ

「スイッチを入れれば誰でも簡単にテレビを楽しむことができます。テレビは、幼児から老人に至るまでのすべての人たちが理解することができ、共感することができるものを提示しなければならないのです。万人に理解と共感が可能なものとはすなわち凡庸なもの…

ルサンチマン(ressentiment)

フリードリッヒ・ニーチェ『道徳の系譜』岩波文庫、1950年、pp.95-97より 「苦しませることが最高度の快楽を与えるからであり、被害者が損失ならびに損失に伴う不快を帳消しにするほどの異常な満足感を味わうからである。苦しませること――それは一つの真の祝…

学問と宗教

小谷野敦『宗教に関心がなければいけないのか』ちくま新書、2016年 「『法華経』に「提婆達多品(だいばだったぼん)」というのがあり、そこに、竜女の女人成仏というのが書かれている。これは、竜王の娘の竜女というから、人間ではないのだが、女人のままで…

激情と憎悪煽るメディア

「マスメディアにひろわれるのは、「わかりやすい」声です。(中略)自分の妻と子どもを殺された本村洋さんの「犯人を死刑に!」という訴えは、大きくメディアによって取りあげられました。しかし、すべての犯罪被害者とその家族が加害者への厳罰を望んでい…

栗林忠道中将の最期(硫黄島の戦い)

www.youtube.com 昭和20年3月17日24時発 栗林兵団長訣別の電文 戦局最後の関頭に直面せり 敵来攻以来麾下将兵の敢闘は真に鬼神を哭しむるものあり 特に想像を越えたる物量的優勢を以てする陸海空よりの攻撃に対し宛然徒手空拳を以て克く健闘を続けたるは小職…

「畜群」対「個人」

「河野さんは、松本サリン事件がオウムの犯罪であることが明らかになってからも、オウムを悪し様に罵ることはありませんでした。河野さんは麻原の逮捕後も、彼を「麻原さん」と呼んでいます。自らにとっての最悪の加害者であった長野県警の警部の名も、自著…

学問の下流化

竹内洋『学問の下流化』(中央公論新社、2008年)より引用。 「フォーク人文社会科学というのは、大衆の常識のなかにある文学や哲学、社会学のことをいう。誰でも詩人であり、誰でも哲学者であり、誰でも社会学者であるというときの哲学や社会学がフォーク人…

「娯楽」を「生きがい」にする人たち

永井均・小泉義之『なぜ人を殺してはいけないのか?』河出書房新社、1998年 「ジャーナリズムで取り上げられる事件やそれをめぐる言説は、多くの一般人にとって異次元の出来事であり、はっきり言ってすべて娯楽にすぎない。 一方、新聞・雑誌が構成する事件…

「僧侶」としての教師の役割

永井均・小泉義之『なぜ人を殺してはいけないのか?』河出書房新社、1998年 「ニーチェ的に考えると、教師というのはニーチェの『道徳の系譜学』で言う僧侶に当たるわけですよ。ニーチェの言い方を使うと、僧侶というのは弱者の弱みに付け込んで傷口を治すふ…

北原みのり『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』引用

「見知らぬ男女が出会う婚活サイトは、身も蓋もないほど「自分が商品」であることを意識させられる場だ。年齢、年収、住んでいる場所、家族構成に顔写真。プロフィールの情報が全て「条件」として交換されていく。」(p.46)「佳苗のドライさと、その結婚観…

ゾロ

「災難てもんは、たたみかけるように続くのが世の常だ。言い訳したら、どなたか助けてくれんのか?死んだら俺は、ただそこまでの男。」(One Piece、ゾロの名言)

米本昌平『地球環境問題とは何か』(岩波新書)

「この本の中で私は、地球温暖化論の科学的根拠が曖昧であることを指摘はするが、それは私が、それを理由に、世界が地球環境問題の対策に邁進することに反対であることを意味しない。それどころか、私の意図するところはその逆である。歴史のうねりは、その…