自分の自由は他人の自由に依拠している(サルトル)

NHK「100分de名著」ブックス サルトル 実存主義とは何か: 希望と自由の哲学

他人を拘束しようとする人は自分をも不自由にしている。サルトルは生涯のパートナーだったボーヴォワールとの関係において自由を実践してみせました。ただ、二人とも嫉妬と全く無縁というわけではなかったことが本書で書かれています。

 

「女性を哲学的に考えた者はいない」(映画『サルトルボーヴォワール 哲学と愛』より)。人間関係はそう単純ではないということですね。

 

映画『サルトルボーヴォワール 哲学と愛』予告

https://www.youtube.com/watch?v=9N6nXIXBQQ0

 

※引用元の文献が手元にないので孫引きになります(強調・下線は引用者)。

われわれは自由を自由のために、しかも個々の特殊事情をとおして欲する。ところが、われわれは自由を欲することによって、自由はまったく他人の自由に依拠していることを発見する。むろん、人間の定義としての自由は他人に依拠するものではないが、しかしアンガジュマンが行なわれるやいなや、私は私の自由と同時に他人の自由を望まないではいられなくなる。他人の自由をも同様に目的とするのでなければ、私は私の自由を目的とすることはできないのであるサルトル実存主義とは何か』)

 

海老坂武『NHK「100分de名著」ブックス サルトル 実存主義とは何か~希望と自由の哲学NHK出版、2020年、p.79より。