2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

激情と憎悪煽るメディア

「マスメディアにひろわれるのは、「わかりやすい」声です。(中略)自分の妻と子どもを殺された本村洋さんの「犯人を死刑に!」という訴えは、大きくメディアによって取りあげられました。しかし、すべての犯罪被害者とその家族が加害者への厳罰を望んでい…

栗林忠道中将の最期(硫黄島の戦い)

www.youtube.com 昭和20年3月17日24時発 栗林兵団長訣別の電文 戦局最後の関頭に直面せり 敵来攻以来麾下将兵の敢闘は真に鬼神を哭しむるものあり 特に想像を越えたる物量的優勢を以てする陸海空よりの攻撃に対し宛然徒手空拳を以て克く健闘を続けたるは小職…

「畜群」対「個人」

「河野さんは、松本サリン事件がオウムの犯罪であることが明らかになってからも、オウムを悪し様に罵ることはありませんでした。河野さんは麻原の逮捕後も、彼を「麻原さん」と呼んでいます。自らにとっての最悪の加害者であった長野県警の警部の名も、自著…

学問の下流化

竹内洋『学問の下流化』(中央公論新社、2008年)より引用。 「フォーク人文社会科学というのは、大衆の常識のなかにある文学や哲学、社会学のことをいう。誰でも詩人であり、誰でも哲学者であり、誰でも社会学者であるというときの哲学や社会学がフォーク人…

「娯楽」を「生きがい」にする人たち

永井均・小泉義之『なぜ人を殺してはいけないのか?』河出書房新社、1998年 「ジャーナリズムで取り上げられる事件やそれをめぐる言説は、多くの一般人にとって異次元の出来事であり、はっきり言ってすべて娯楽にすぎない。 一方、新聞・雑誌が構成する事件…

「僧侶」としての教師の役割

永井均・小泉義之『なぜ人を殺してはいけないのか?』河出書房新社、1998年 「ニーチェ的に考えると、教師というのはニーチェの『道徳の系譜学』で言う僧侶に当たるわけですよ。ニーチェの言い方を使うと、僧侶というのは弱者の弱みに付け込んで傷口を治すふ…