2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィーゼル、川田順造編『介入?―人間の権利と国家の論理』書評

介入?―人間の権利と国家の論理作者: エリウィーゼル,川田順造,Elie Wiesel,広瀬浩司,林修出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 1997/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る旧ユーゴでの惨劇があまりに衝撃的で、また空爆という派手な手段とマス…

井上ひさし『自家製文章読本』(新潮文庫、1987年)書評

最近、なぜ自分はまるでとりつかれたように読み、書くのか。なぜ最近自分は歴史とか歴史の記憶のされ方にこだわっているのか。この本を読んで答えが少し見えて来た気がする。 たしかにヒトは言葉を書きつけることで、この宇宙での最大の王『時間』と対抗して…

井上ひさし『本の運命』(文春文庫、2000年)書評

本の運命 (文春文庫)作者: 井上ひさし出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/07/07メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 19回この商品を含むブログ (20件) を見る「目次を睨むべし」、ツンドクの効用などなかなかユニークな私流読書術が紹介されており、早速…

谷沢永一『読書の悦楽』(PHP文庫、1998年)書評

読書の悦楽 (PHP文庫)作者: 谷沢永一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 1998/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る本書巻末の小笠原茂による解説によると、近代文学の文学史家である長谷川泉は、谷沢を評してこう言ったという。「横行した野…

中野孝次『生きることと読むことと―「自己発見」の読書案内』(講談社現代新書、1994年)書評

タイトルからも明らかなように、本書は知識や情報を獲得するための読書ではなく、人生の危機から自分を救助してくれるような読書について、著者の実体験に依拠しながら書かれたものである。自分を救ってくれた本に対する著者の思い入れぶりがよく伝わってく…

大江健三郎『私という小説家の作り方』(新潮文庫、2001年)書評

私という小説家の作り方 (新潮文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/03/28メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (20件) を見る「私という小説家の作り方」という標題には、小説家になるためのプロセスにおいて、自分の場…

町田健『まちがいだらけの日本語文法』書評

まちがいだらけの日本語文法 (講談社現代新書)作者: 町田健出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/07/18メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を見る勉強を教えている中学生が国文法が苦手だと言うので、読んでみることになった。そして読…

小谷野敦『軟弱者の言い分』(晶文社、2001年)書評

軟弱者の言い分作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2001/03メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (20件) を見る小谷野敦の本は『バカのための読書術』(ちくま新書)に次いで2冊目である。本書はエッセイ集であるため、一冊に一…

吉田昭彦『日本人の心 環境道のススメ』書評

日本人の心 環境道のススメ作者: 吉田昭彦出版社/メーカー: ミオシン出版発売日: 1996/04メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る内容は環境問題を広く扱っており、大きく分けて第一章の人口問題、第二章の食糧問題…

橋爪大三郎『はじめての構造主義』書評

はじめての構造主義 (講談社現代新書)作者: 橋爪大三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1988/05/18メディア: 新書購入: 26人 クリック: 165回この商品を含むブログ (191件) を見る 橋爪大三郎の親切で簡潔な説明のおかげで、構造主義のイメージはなんとなく…

立花隆、利根川進『精神と物質』書評

分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか 精神と物質 (文春文庫)作者: 立花隆,利根川進出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1993/10/09メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 103回この商品を含むブログ (45件) を見るとにかく名言のオンパレードである。自分に…

西村顕治『情報スーパー活用術』(ちくま新書、1997年)書評

情報スーパー活用術 (ちくま新書)作者: 西村顕治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1997/04メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見るはっきり言って、本書はまだ情報収集のイロハも分からない人のための本である。実際には情報の「ス…

竹内洋『教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化』書評

教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 (中公新書)作者: 竹内洋出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/07/01メディア: 新書購入: 17人 クリック: 277回この商品を含むブログ (139件) を見る久々の当たり本である。中央公論社が読売新聞の傘下に入…

榊原正幸『博士号への道―海外で学位をとるために』書評

博士号への道―海外で学位をとるために作者: 榊原正幸出版社/メーカー: 同文舘出版発売日: 2003/01/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (5件) を見るイギリスのPhD(博士)課程について、出願のプロセスからPhD論文の書き方に至…

ラ・サール石井『ラ・サール石井の大教育論』書評

ラ・サール石井の大教育論 (広済堂文庫―ヒューマン・セレクト)作者: ラ・サール石井出版社/メーカー: 廣済堂出版発売日: 1990/02/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るパラパラめくって何やら面白いことが書いてありそうだったので、つい古本…

中島義道『働くことがイヤな人のための本―仕事とは何だろうか』書評

働くことがイヤな人のための本―仕事とは何だろうか作者: 中島義道出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2001/02/01メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (32件) を見るこれは中島義道の本すべてに言い得ることだが、彼の本は読者を限定す…

阿部謹也『「世間」とは何か』(講談社現代新書、1995年)書評

「世間」とは何か (講談社現代新書)作者: 阿部謹也出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/07/20メディア: 新書購入: 35人 クリック: 239回この商品を含むブログ (95件) を見るこの本を本棚から手に取って読んでみようと思い立ったのは、2002年2月3日付毎日新…

不破哲三『二十一世紀はどんな時代になるか』書評

二十一世紀はどんな時代になるか作者: 不破哲三出版社/メーカー: 新日本出版社発売日: 2002/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る この世界のどこかで次のマルクスが歩いている(34頁) 意味ありげなフレーズである。冷戦の終焉とそれに続く…

小林よしのり『戦争論3』書評

新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論〈3〉作者: 小林よしのり出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2003/07/01メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 43回この商品を含むブログ (40件) を見るネオコンの論文、さらにはホッブズやグロティウスまで読んで「大義のない…

西尾幹二編『新しい歴史教科書「つくる会」の主張』書評

新しい歴史教科書「つくる会」の主張作者: 西尾幹二出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2001/06メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (4件) を見るまず意外に思ったのは、文部科学省による検定意見と修正文一覧を読んでみて、その修正の内容が…

福田和也『余は如何にしてナショナリストとなりし乎』書評

余は如何にしてナショナリストとなりし乎作者: 福田和也出版社/メーカー: 光文社発売日: 2000/09メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (6件) を見る福田和也の本は何冊か読んだが、彼の本は何か片手間で書いたような、著作としての重々しさに…

福田和也『悪の読書術』(講談社現代新書、2003年)書評

悪の読書術 (講談社現代新書)作者: 福田和也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/10/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (65件) を見る『悪の対話術』に次いで読む、福田和也「悪」シリーズの1冊である。(『悪の恋愛術』だけは…

福田和也『悪の対話術』(講談社現代新書、2000年)書評

悪の対話術 (講談社現代新書)作者: 福田和也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/08/18メディア: 新書購入: 2人 クリック: 87回この商品を含むブログ (26件) を見る対話というものに漠然とではあるが関心を持つとともに、なぜ対話とは興奮と喜びに満ちたも…

ジョセフ・コンラッド『闇の奥』(岩波文庫、1958年)書評

闇の奥 (岩波文庫 赤 248-1)作者: コンラッド,中野好夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1958/01/25メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 39回この商品を含むブログ (57件) を見る本書を読んですぐに思いついた本がある。長編ドキュメンタリー部門でアカデミ…

ヘルマン・ヘッセ『デミアン』(高橋健二訳)(新潮文庫、1951年)書評

「ドイツのノーベル賞受賞作家ヘルマン・ヘッセの1919年、42歳の時の作品」(Amazon.co.jpによるレビューより)。10歳の少年シンクレールは、家族や世間に代表される秩序と美徳の世界から抜け出して、もう半分の世界、すなわち「そうぞうしい、どぎつい、暗…

坂口安吾『堕落論』(角川文庫、1957年)書評

堕落論 (角川文庫クラシックス)作者: 坂口安吾出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1957/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (65件) を見る群ようこの書評エッセイ『鞄に本だけつめこんで』(新潮文庫)の中で本書が登場したので、…

安藤宏『太宰治 弱さを演じるということ』書評

太宰治 弱さを演じるということ (ちくま新書)作者: 安藤宏出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2002/10メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (10件) を見る文学に限らず芸術作品を味わう前に、その作品についての評価を読んだり聞いたりすること…

夏目房之介『漱石の孫』(実業之日本社、2003年)書評

漱石の孫作者: 夏目房之介出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2003/04メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (19件) を見る夏目漱石の孫であり、マンガ評論家の夏目房之介によるエッセイである。どうもAmazon.co.jpの本書に対するレビュー…