2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「わかってから書いてはならない。書かないとわからないからである」

小笠原喜康『最新版 大学生のためのレポート・論文術』講談社現代新書、2018年より。 卒業論文は、ある意味で、小学校の「自由作文」よりはずっと簡単である。なのに少し突っ込んで調べていくと、急にわからなくなる。始める前にはわかっていたつもりが、少…

「論文は、近代の中で分断され商品化された個をとりもどす、ポストモダンの自分物語である」

小笠原喜康『最新版 大学生のためのレポート・論文術』講談社現代新書、2018年より。 ※強調・下線は引用者。 最近、学士力とかジェネリック・スキルというコトバがいわれるようになってきた。これまでも、いろいろな「力」のコトバがいわれてきたので、一時…

「杉本も干し柿を食べたら、戦争へ行く前の杉本に戻れるのかなあ」

アニメ『ゴールデンカムイ』第二期 エピソード17より 杉本:「アシリパさん、鈴川は悪人だ。悪人は人の心が欠けているから、普通の人間より痛みも感じないはずだ。だからいちいち同情しなくていい」 アシリパ:「子供だと思ってバカにしてるのか!そんな理屈…

デマ情報発信者は英語力が弱い

岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 日本の医療者は、絶望的なまでに英語力が欠如しています。医師も、看護師も、その他多くの医療者も。(中略)これからは2ヵ月弱で医学知識が倍加する時…

患者の病気についての個人情報保護は「知る権利」よりも価値が高い

岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 医療機関の場合、個人情報の保護と情報公開のバランスは、いつも難しい問題です。 基本的に、個人を特定しうる情報は一切公表してはいけません。これが…

「井の中の蛙」は質問ができない / 医療の「タコツボ」時代の終わり

岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 質問をする能力というのは、「私には分かりません」と認識する能力のことを言います。私にはここが分かっていない、理解できていない、という自覚がある…

「日本人はシャイだから」だけでは説明できない日本人の質問下手

岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 海外の方には「日本人は質問をしない」とよく言われます。それに対して、日本人はシャイだから、とよく説明されます。それもあるとは思います。講演のと…

情報発信の技術が稚拙な大学の講義

岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 プレゼンテーションについては、最近はTEDなど、上手なプレゼンのひな形が出てきました。医療においては、ケアネットなど、エンターテインメント性を持…

無関係の人が過剰にコミュニケーションに参画することの弊害

岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 以下の引用箇所、全くもって岩田先生の言う通りだと思うけれど、人間の嫉妬心・ルサンチマンがどれほど強力で破壊的かを侮るべきではないと思う。それを…

グローバル化と新興感染症

押谷仁「感染症のグローバル・リスク」遠藤乾編『シリーズ日本の安全保障8 グローバル・コモンズ』岩波書店、2015年、pp.155-184より。 それまでどこにも存在しなかった病原体(ウイルスや細菌など)が突然出現するのではなく、通常はそれまで他の種に感染…

全く面識のない人への手紙がたどり着くまでに何人を介するか(世間は狭い=噂は広まりやすい)

釘原直樹『グループ・ダイナミックス――集団と群集の心理学』有斐閣、2011年より。 ミルグラムは、あらかじめ設定された目標人物と、2000km以上も遠く離れた、目標人物とはまったく面識がない人物(手紙の発信者)を、間に何人の知人を連鎖的につなぐことによ…

過去の流言の例

釘原直樹『グループ・ダイナミックス――集団と群集の心理学』有斐閣、2011年より。 流言の例として下記のようなものがある。 ①商品に関する流言 次のようなものがある。「マクドナルド・ハンバーガーで使用されているハンバーグの肉はミミズ」「ケンタッキー…