2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大人の「評論家たち」を鼻で笑う若者たち

上野千鶴子『サヨナラ、学校化社会』ちくま文庫、2008年より。 ※強調・下線は引用者 フリーターの若者たちへの論評や分析で最近、目につくものに、フリーターの若者たちはいろいろ夢は語るが、そのために現在、なにかの準備や努力をやっているわけではない、…

落差のないところには価値も情報も生まれない(上野千鶴子)

上野千鶴子『サヨナラ、学校化社会』ちくま文庫、2008年より。 情報生産性が高い人材は、どうしたら生みだせるのか。情報とは差異からしか発生しません。そのとき、落差のある生活世界や価値体系をどれだけ知っていて、自分のなかにその落差のあるシステムを…

誰をも幸せにしない学校化社会というシステム

上野千鶴子『サヨナラ、学校化社会』ちくま文庫、2008年より。 ※強調・下線は引用者。 最近の子育て相談などで、「おばあちゃんがそばにいて大変困ります。私たちのせっかくのしつけをおばあちゃんが骨抜きにしてしまって、子どもを甘やかすので」というのに…

自分が面白がっていないことを他人に面白がってもらうことはできない(上野千鶴子)

上野千鶴子『サヨナラ、学校化社会』ちくま文庫、2008年より。 言語的な訓練に失敗したか、十分に受けてこなかった子どもたちが、偏差値四流校の学生たちです。でも、その人たちには知識はないかもしれないが、知恵はある。彼らは語り手が「なにを」言ってい…

国境を越える人々が無意識のうちに「壁」を作っている

宇野常寛『遅いインターネット』幻冬舎、2020年より。 ※下線・強調は引用者。 まず僕たちはあの3年前の、2016年11月8日のことを思い出すべきだ。あの日は世界を駆動していたひとつの理想が決定的に躓き、そして敗北した日だった。 その日行われたアメリカ大…