2006-01-01から1年間の記事一覧

つれづれ日記:経済的豊かさと幸せ

日曜日の毎日新聞で面白い書評に遭遇した。書名はW・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』。 本と書評の詳しい内容は置いておくとして、この中村達也氏が書いた書評の中で面白いことが書いてあった。以下は世界的に著名な経済学者、ポー…

シグリッド・H・塩谷『アメリカの子供はどう英語を覚えるか』書評

アメリカの子供はどう英語を覚えるか作者: シグリッド・H.塩谷出版社/メーカー: はまの出版発売日: 1991/11メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (7件) を見る英語を学ぶとき、アメリカの子供が英語を学ぶ方法を参考にするのがよいという話…

千石保『日本の高校生』書評

日本の高校生―国際比較でみる (NHKブックス)作者: 千石保出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 1998/03メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見る久々に読んで腹の立つ本であった。途中で読むのをやめてしまったので、本当なら…

宇都宮直子『ペットと日本人』書評

ペットと日本人 (文春新書 (075))作者: 宇都宮直子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/11メディア: 新書購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (4件) を見る自分の日頃の興味関心とは程遠いトピックを扱う本書を縁あって読むことになったが、予…

小西行郎『赤ちゃんと脳科学』書評

赤ちゃんと脳科学 (集英社新書)作者: 小西行郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2003/05/16メディア: 新書購入: 6人 クリック: 34回この商品を含むブログ (22件) を見るこの本は、自分の子供に早期教育を与えるべきか否かで悩んでいる親が読めば、得られるも…

エリック・ホッファー『波止場日記―労働と思索』書評

波止場日記―労働と思索作者: エリックホッファー,Eric Hoffer,田中淳出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 26回この商品を含むブログ (37件) を見る訳者があとがきで書いているように、ホッファーは自身を「大衆…

鈴木健夫『ぼくは痴漢じゃない!』書評

ぼくは痴漢じゃない!―冤罪事件643日の記録 (新潮文庫)作者: 鈴木健夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/06メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 67回この商品を含むブログ (18件) を見るやってもいないのに痴漢と間違えられて逮捕・起訴された冤罪被害者の…

岡真史『ぼくは12歳』書評

新編 ぼくは12歳 (ちくま文庫)作者: 岡真史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1985/12/01メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 127回この商品を含むブログ (30件) を見る勢古浩爾が『自分をつくるための読書術』(ちくま新書)の中で、「なにも言えない」とい…

『「わからない」という方法』『「わかる」とは何か』書評

「わからない」という方法 (集英社新書)作者: 橋本治出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/04/17メディア: 新書購入: 9人 クリック: 62回この商品を含むブログ (105件) を見る「わかる」とは何か (岩波新書)作者: 長尾真出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 20…

池田清彦『他人と深く関わらずに生きるには』書評

他人と深く関わらずに生きるには作者: 池田清彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (14件) を見る「生物学者がなんでこんな本を?」とか、「こんなものを書いてる暇があったら研究しろ」とか、そう…

日米地図比較:DC対東京

中学生の時、地理の授業で配布された地図帳を見るのが大好きで、地理という科目はそれほど得意ではなかったけれど、地図だけは学校でも家に帰ってからもよく見ていた。日本地図にしても世界地図にしても、見ているだけでとても楽しい。 自分は自他ともに認め…

外岡秀俊『国連新時代―オリーブと牙』書評

国連新時代―オリーブと牙 (ちくま新書 (005))作者: 外岡秀俊出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1994/09メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る国連の機構についての解説と、PKOそして国連そのものについての成り立ち、そして戦後史における日本…

つれづれ日記:暴走自転車を追放しろ

(写真は杉並区ホームページより) 桜はもう散ってしまったものの、ぽかぽかと暖かい日になることが多くなった。そういう時は多摩川沿いや浅川沿いを散策したりサイクリングしたりすると、とても気持ちいい。 ところが最近そのサイクリングロードを歩いてい…

つれづれエッセイ:「1冊をじっくりと」vs「いっきに5冊」

あるテーマについて論文なりペーパーなりを書かなくてはならない時、そのテーマに関する論文や文献を大量に読むことになるわけですが、その際にノートを取りながら読んだり、あるいは読み終わったあとにメモやカード取りをし、それが終わってから次の文献に…

前田哲男『PKO―その創造的可能性―』書評

PKO―その創造的可能性 (岩波ブックレット)作者: 前田哲男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1991/10/21メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見る本書は、冷戦期に機能不全に陥った安保理に代わって、国連の機能を回復させるための苦…

佐々木芳隆『海を渡る自衛隊』書評

海を渡る自衛隊―PKO立法と政治権力 (岩波新書)作者: 佐々木芳隆出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1992/11/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る湾岸戦争が終結したのちの91年9月に政府が国会に提出した「国連平和維持…

小森陽一監修『研究する意味』書評

研究する意味作者: 金子勝,高橋哲哉,竹村和子,岡真理,吉見俊哉,藤原帰一,大澤真幸,小森陽一出版社/メーカー: 東京図書発売日: 2003/05/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 74回この商品を含むブログ (14件) を見る様々な分野で活躍している11人の研究者…

リリー・フランキー『東京タワー』書評

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~作者: リリー・フランキー出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2005/06/28メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 445回この商品を含むブログ (1391件) を見る本の帯に載っている賛辞を読んで、どれだけ感動的な物語が綴…

ルソー『孤独な散歩者の夢想』

孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)作者: ルソー,青柳瑞穂出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/07メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 15回この商品を含むブログ (24件) を見るルソーのことをほとんど何も知らない自分のような人間がこの本を読むと、いきなり自…

つれづれエッセイ:「日本人全員大使」論―カーティスの銭湯思い出話

長年コロンビア大学で教授をしているジェラルド・カーティスという人がいます。少し古い本ですが、いま彼の『ポスト冷戦時代の日本』(東京新聞出版局、1991年)という本を読んでいます。カーティスは日本政治経済の専門家で、『代議士の誕生』という本で一…

近代日本の「友情関係」:森鴎外と夏目漱石

エッセイ:山崎正和「森鷗外 人と作品―不党と社交」(森鷗外『阿部一族・舞姫』新潮文庫、1968年、巻末)少し時間に余裕ができたので、ずっと読みさしたままになっていた森鷗外の『阿部一族・舞姫』の続きを読むことにした。「舞姫」や「うたかたの記」など…