つれづれ日記:暴走自転車を追放しろ

(写真は杉並区ホームページより)


桜はもう散ってしまったものの、ぽかぽかと暖かい日になることが多くなった。そういう時は多摩川沿いや浅川沿いを散策したりサイクリングしたりすると、とても気持ちいい。


ところが最近そのサイクリングロードを歩いていて、穏やかな小春日和を脅かす光景をよく目にするようになった。暴走自転車である。「サイクリングロードなんだから自転車がスピード出すのは当たり前」なんて考えているのだとしたら、それは法的にも誤った考えである。


確かにあそこはサイクリングロードだが、歩行者が入ってはいけないというルールはない。それどころか「ここは歩行者・自転車専用道路です。車の進入はご遠慮下さい」と書いてある。歩行者も自転車も通れる道だとすれば、当然弱い立場にある歩行者に自転車乗りの側が配慮するのは当然のことである。


ところが、最近はそんなことは全くお構いなしの自転車乗りが多い。健康維持や運動のためにサイクリングが最近は流行っているようだし、サイクリングの格好も本格的なものになっているようだ。環境への影響という観点からも自転車を勧める人は多い。しかし、他人に大けがをさせかねない乗り方をしていて健康も何もあったものではない。よくニュースでは「街の混んでいる商店街の中で自転車を暴走させる高校生」などと言われているが、これは高校生だけではなくいい歳をした大人までかなり暴走している。


川沿いの散歩道には、犬の散歩をしたり、ジョギングをしたり、赤ちゃんを連れて散歩したりしている人が終日たくさんいる。ベビーカーに乳児を乗せて散歩している人もいる。そんな中を、本格的なサイクリングの格好をした人たちがかなりのスピードを出して通り過ぎていく。


時々、「邪魔な歩行者のほうがよけて当然」と言わんばかりにすれすれを猛スピードで通り過ぎていく自転車もある。いい歳をしたおじさんが、ベビーカーを押して散歩している人たちに何度も警告の鈴を鳴らし、自分自身はちっともスピードを落とさずに、慌てている歩行者たちの横を嫌味たっぷりの咳払いや舌打ちをしながら通り過ぎていく姿を目にしたこともある。こういう世代の人が、どの面下げて若者に「マナーの悪さ」を説くのか。


自転車はかなりスピードの出る乗り物で、ぶつかれば大怪我や下手をすれば死の危険さえある。歩行者がいるところでは歩行者に配慮するのが当然だし、小さい子供がいる場合なら道を外れてゆっくり進むか、道が狭い場合はいったん降りて自転車を押して通り過ぎるくらいのことは常識である。しかしそんなことはお構いなしに、我が物顔で暴走する自転車があまりに多い。


アメリカで、それほどのスピードではないけれども歩道を自転車で通っていたことがある。夕方の少し人が混んでいる時間帯のことだった。自分ではゆっくり慎重に進んでいたつもりだけど、それでも歩行者の一人に「Off the sidewalk!(歩道から出ろ!)」と怒鳴られたことがある。それくらい歩行者のいるところでは自転車は危険な存在だと思われているからだろう。スピードを出すのであれば、車道を走るのが常識になっている。


最近のニュースで、警察庁が暴走自転車の取り締まり強化をすることにしたことを知った。どんどん取り締まって罰則も厳罰化してほしいと思う。


自転車はかなりスピードが出る乗り物であるにも関わらず、そのための免許も資格も存在しない。しかし自転車の乗り方について定められた法律はきちんと存在する。法律では「自転車は車両」であり、本来は車道を走るのが当然なのだが、日本の道路が狭くて自転車のためのスペースがないので、仕方なく歩道も通ってよいということになっている。「歩道は歩行者のもの」であって、自転車は歩道では「通らせてもらってる」と考えるのが当然である。



参照:http://www.icofit.net/exrecises/outdoor/bicycle/commute/attention.html

「自転車は車両です。このため、基本的には車道を走行しなければなりません。ただし、たとえば東京都内ではほとんどの歩道が自転車走行可能となっており、歩道を走ることがほとんどの場合許されています。
しかし、歩道は歩行者のための通路であり、自転車の専用道ではありません。あくまで、「通行可」なだけです。よく、歩道を猛スピードで走り(いわゆる暴走自転車)、歩行者に対してベルをチリチリ鳴らして過ぎ去っていく自転車乗りを見かけますが、これは道路交通法違反ですので、絶対にやめましょう。今のところ、歩行者が道を空けてくれるのを待つか、「通していただいてもいいですか?」と声をかけるのがいいでしょう。
もし、仮に歩道で歩行者にぶつかってしまうと、状況によっては高額な賠償金が要求されます。」(参照のページより抜粋)