2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

David Campbell, Writing Security書評⑧

【Chapter 7. Rewriting Security】冷戦が終結して「脅威の言説」は新たな脅威の対象を探し始めた。無秩序や不確実性に満ちた冷戦後の世界は、脅威になり得る対象には事欠かなかった(171頁)。その中でもとりわけ大きな注目を集めたのは、麻薬であった。レ…

David Campbell, Writing Security書評⑦

【Chapter 6. Writing Security】第1章において、NSC-68を引き合いに出して冷戦期における「脅威の言説」が明るみに出されたが、本章ではより詳細に、冷戦期のアメリカ国内における、アイデンティティ/差異をめぐる「推論的経済」(discursive economy)が…

David Campbell, Writing Security書評⑥

【Chapter 5. Imagining America】本章ではアメリカ草創期の歴史、すなわち大陸発見、植民地建設期、そして独立・共和政確立期のアメリカ史の中に、前章で述べられた「差異/アイデンティティ」の関係を見出す作業が進められる。もしベネディクト・アンダー…