東京という街と人間の行動

田舎暮らしに殺されない法

田舎暮らしに殺されない法

青空を見渡すことができ、広大な森林にも恵まれている東京郊外に住んでいると、新宿や渋谷や池袋のようなところと同じ都内とは思えなくなることがよくある。

こないだ渋谷を歩いていてなんとなく感じたのだけど、東京という街は人が多すぎて、そして誰もが時間に追われすぎていて、特に繁華街や駅構内・駅周辺のような人の多い場所では、多くの人はぶつかりそうになると「さらに急ごうとする」ような気がした。

「立ち止まる」という選択肢はないのだろうか。

東京に限らないかも知れないけど、とにかくこの街は「人を急かす街」である。時間だけでなく、消費行動もとにかく急かす。そういう見えない圧力にさからって、「あえて立ち止まってみる」 ことも時には必要だと思う。

島田紳助

「自信を失ってへこんでる時は、田舎に行くことやで」

って言っていた。

長野県の自然の中で生活して、東京中心の論壇に闘いを挑み続けている作家の丸山健二の本に『田舎暮らしに殺されない法』というのがある。

当然、田舎暮らしへの憧れには美化というリスクが潜んでいる。でも東京という街が「例外」であって「異常」であることに気づくためには、一時的であれ田舎に身を置くことが人間には必要ではないかと思う。