「わたしはマララ」

わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女

「どの子がマララだ?」男が厳しい声でいった。
みんなは黙っていたけど、何人かの目がわたしをみた。それに、顔を隠していないのはわたしだけだった。
男は黒いピストルを構えた。あとでわかったけど、コルト45だったらしい。何人かが悲鳴をあげた。モニバがいうには、わたしはモニバの手をぎゅっと握った。
友だちの話によると、男は続けざまに三発撃った。一発目はわたしの左目のわきから首を通って、左肩のあたりで止まった。わたしはモニバのほうに倒れた。左の耳から血が流れた。残りの二発はそばにいた仲間を襲った。一発はシャツィアの左手に、もう一発は、シャツィアの左肩を貫通して、カイナート・リアズの右上腕部に当たった。
あとで友だちからきいた。男のピストルを持つ手は震えていたそうだ。
病院に着く頃には、わたしの長い髪も、モニバの膝も、血まみれになっていた。

どの子がマララかって? マララはわたし。そしてこれがわたしの物語。
(20頁より)