「国際政治の多くの本は読者に「私は何かできる」という感覚を持たせていない」

策略―女性を軍事化する国際政治

シンシア・エンロー『策略:女性を軍事化する国際政治』岩波書店、2006年より。

 

「「それで?」と人々は尋ねるかもしれない。国際政治の本は「私は何かできる」という感覚を読者にもたせるべきだ。なのに多くの国際政治の本はそうしていない。……人々は「国際政治経済」の大半の本を溜息をつきながら閉じる。そうした本は国際政治経済がいかに作動しているのかを説明するが、そんな知識など、もっと家庭に密接な問題を考えるほうがずっとためになる、と思わせておしまいだ」(p.300)

 

(Cinthia Enloe, Bananas, Beaches, and Bases: Making Feminist Sense of International Politics, London: Pandora Press, 1989, p.17からの引用の佐藤文香訳)