搾取されないためにキレることも必要
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。
どうすれば、相手の怒りや感情的な言動に振り回されることなく、上手に自分の怒りの気持ちを発散させるような切り返し方ができるのでしょうか。
これらにはテクニックと経験が必要です。
しかし、テクニックと経験が必要だとすら思っていない人が多いのではないでしょうか。
何も言わず我慢して、丸く収めるのが最善の策だと考えている人が多すぎると思うのです。(p.14)
世の中には、我慢するという人の善意を利用して、相手を支配しようとする人がいます。そういう人は、相手が我慢すればするほど、その人からいろいろなものを搾取しようとするのです。
やり方は人それぞれだとしても、相手の身勝手な怒りや不条理な言動には、上手にキレて、抵抗する必要があるのです。
実は私もキレて抵抗することが苦手です。
ですから、この本を通して、どうキレて、どのように抵抗すると、相手と良好な関係を保ちながら、自分を大事にすることができるのか、考察していきたいと思っています。(p.15)