「科学コミュニケーター」の役割

村上陽一郎氏の著作には学生の頃大変お世話になりました。『新しい科学論―「事実」は理論をたおせるか』(講談社ブルーバックス)は思い出の一冊です。

 

「人は危機的な状況に陥ると不確かな情報に飛びつきやすい。不安や怒りに駆られ、ものごとを即断してしまいがちだ。科学者には、社会の普通の人々が普通の感覚で抱く疑問に対し、分かりやすく丁寧に説明する姿勢が求められる」

感染症対策を唱える専門家への不信、デマの流布がみられる。私が研究した中世の欧州ペスト流行時にも、病人と視線を合わせると感染するといったデマが横行した。ネット上には真偽の不確かな情報があふれており専門家と人々をつなぐ科学ジャーナリズムや科学コミュニケーターの役割がより重要になる」

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