Let It Be が生まれた経緯

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English Journal 2016年4月号

 

ビートルズの名曲「Let It Be」がどうやって生まれたかをポール・マッカートニー自身が語っています。夢の中に出てきた母親が語った言葉だったというのは初耳でした。あと、当時は当たり前のように薬物を乱用していたんですね。日本と違って本人が堂々と語るところが驚きです。 

English Journal 2016年4月号に掲載されているポール・マッカートニーのインタビューより(以下ポール・マッカートニーの発言)。

 

 「レット・イット・ビー」は、いろいろなことが起きているときに生まれました。あの頃人々は、薬物を過剰に摂取していたと思います。僕らに関しては確かにそうでした。

 

 それが、割とよくあることだったのです。流行していたのです。あの当時を覚えている人なら誰でも知っているでしょう。それで、僕は、何もかもがちょっと限界を超えてしまって、疲れ切って、かなりもうろうとしていました。そんなある晩、ベッドに入って眠れぬ夜を過ごしていました。でも夢を見て、その夢の中に、当時亡くなって10年たっていた母が現れました。母には、僕が問題を抱えているのがわかるようでした。そして、こんなことを言ったのです、"Let it be."(そのままでいいのよ)と言ったのです。(p.89)

 

 母が「そのままでいいのよ」と言ったのをとても鮮明に覚えています、それから「きっと大丈夫だから、心配しないで」とね、「あるがままで」と。目が覚めてもその夢を覚えていた僕は、「ああ、これはいいな」と思ったんです。それから、座って曲を書きました、夢での感覚と、母が夢の中で僕に会いに来てくれた気持ちに乗せて。

 

 そのとき、(歌詞の中で)母を指してmother Maryと言ったとき――僕の母はメアリーで父はジェームズだったのですが――母は敬虔なカトリック信者の女性でした。その言葉を曲に入れた結果、これをMother Maryつまり「聖母マリア」が出てくる、ある意味で宗教的な曲になっていると考えた人も多かったと思います。それでも、僕としては構いません、(聞く人が)そう取りたいのであればね。実のところは、母が夢に出てきて実際に"Let it be."と言ったからなんですが、それが結果として、素晴らしいアドバイスになったのです。ありがとう、母さん。(p.90)