40歳からの方が英語は伸びる!

英語を学ぶのは40歳からがいい 3つの習慣で力がつく驚異の勉強法 (幻冬舎新書)

「音楽のように聞き流しているだけで英語が聞き取れるようになる」とか「この教材を使えばたったの数週間で英語が話せようになる」とか巷にはいろんな英語リスニング・スピーキングの教材の宣伝がありますが、プライベートでも仕事でも今まで30年以上も英語と関わってきた経験からして、まずそんなことはあり得ないです。

 

日本には外国語を一生懸命学んでいながら結局はモノにできず、自分が中学から大学まで受けてきた日本の英語教育への怨嗟の声がなんとあふれていることでしょう。でもそれは当たり前のことで、日本の英語教育が聞き取れる・話せることを目的にしてはいないからです。結果的に穴埋めの文法問題で満点を取れるようにはなっても、ネイティブの人たちが使い分けている must とhave to の違い、will, be going to, be ~ing の違い、can と be able to do~ の違い、I did と I have done の違い、have done と have been doingの違いを自信を持って説明できる人は、日本の英語教育のみを受けてきた人の中にはほとんどいないのではないでしょうか。

 

この本の中にはその辺のこともわかりやすく書かれています。外国語学習は記憶力とは関係ないこと(よって「若い頃から始めないともう遅い」はウソであること)、むしろ社会経験と背景知識を持っている大人の方が外国語能力を伸ばしやすいこと、英語が聞き取れる・話せるようになるには3つの習慣(音読・多読・最低限の表現を覚える)だけを毎日続けることで達成されること、教材は内容が面白いものでなくては意味がないこと、などなど今まで自分が考えてきたことと全く同じことが書かれていました。すべて納得のいくことばかりでした。

 

意欲はあるのに自分の外国語学習に自信を喪失しかけている人にぜひ読んでほしい面白い本です。

 

「まずは受験英語で習ったやり方を記憶から捨て去り、中国語やフランス語を始めるように、気持ちを新たにしてコミュニケーションの道具としての英語を実践していただきたいと思います」(p.44より)