「日本人の権威主義」「学者は平気でウソをつく」などなど

リベラルアーツの学び方 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

瀬木比呂志『リベラルアーツの学び方』ディスカバー、2015年より。

 

日本でベストセラーになる思想書の多くは、海外の思想をわかりやすくパラフレーズした「舶来もの」、横文字をタテにするという意味では「横タテもの」だったといてよいと思います。 

 こうした書物はえてしてオリジナリティーに乏しく中身も薄いのですが、目新しいことと日本人の欧米コンプレックスとが相まって、よく売れるし、著者に箔が付くという効果も大きいのです。よくいわれる「日本人の権威主義的傾向、横文字コンプレックス」ということですね。

  しかし、こうした思想書の大半は、飾り、ファッションとして受容され、消費されるだけで、それらが人々の生き方や考え方を深い次元で変えるなどといったことは、ほとんどなかったように思います。(p.40)

 

関連書として、鈴木直『輸入学問の功罪―この翻訳わかりますか?』(ちくま新書和田秀樹『学者は平気でウソをつく』(新潮新書掛谷英紀『学者のウソ』(ソフトバンク新書)なども面白いです。