二極化する言説空間

〈文化〉を捉え直す――カルチュラル・セキュリティの発想 (岩波新書)

「皮肉な見方をすれば、現在の課題に対して、スーパーモダンの肯定派は歴史的・文化的文脈を無視した強引な変革を迫り、逆に、否定派は歴史や文化を盾にいかなる変革をも拒む傾向がある。また、ポストモダンの肯定派は未来――しかも本当に実在し得るか疑わしい未来――のイメージを以て、逆に、否定派は過去――しかも本当に実在したか疑わしい過去――のイメージを以て、それぞれ対応する傾向がある」(p.13)