金持ちは人もモノも大切にする

お金持ちが肝に銘じているちょっとした習慣

菅原圭『お金持ちが肝に銘じているちょっとした習慣』(河出書房新社、2017年)より

「これまで長くお付き合いを続けてきた成功者たちは、その後も順調にビジネスを伸ばし、さらにお金持ちになっている。中には荒波のような経済変動に巻き込まれて破綻した人もいるが、しばらくすると、再び盛り返し、以前にも増してお金持ちになっている。

 彼らに共通しているのは、お金にキビシイという以上に、人としてきちんとしていて、振る舞いや生活態度などにゆるみやだらしないところが見えないことだ。

 お金持ちだから上等なものを身に着けていたり使っていたりするが、それらをとても大事にしている。同時に、それほど高いものでなくても、その態度は変わらない。

 たとえば、ボールペンを例に取れば、彼らが使っているのは、モンブランなど何万円もするようなものが多いが、それをとても丁寧に、長い年月、いつくしむように使っている。だが、ホテルの備えつけのボールペンを使うようなときも、けっして粗末に扱うようなことはしないのだ。

 こうした行き届いた心遣いはモノに対してだけではなく、人に対するときも変わらない。高名な人や社会的地位の高い人に対する態度も、ホテルのスタッフなどに対する態度も変わりなく、見ていても清々しく、気持ちがいい」(pp.3-4)

 

「豊かな人のほうがマナーを守り、品位ある振る舞いをするという例は、ほかの場合にもよく見られる。

 車の運転もその一つ。運転があまり得意ではない私は、「なるべく高級車の後についたほうがいいよ」と教えられたことがある。高級車に乗っている人のほうが運転が丁寧で安全だから、というのがその理由だ。

 「貧すれば鈍す」という言葉があるが、お金に不自由するようになると、気持ちもすさんできてしまう傾向が見られるのだ」(p.53)