口頭発表の作法と技法
30年近く前の古い本ですが、『知の技法』の「口頭発表の作法と技法」という章を読んでいます。これは学生向けのテキストですが、実際には学会などでも守れていない先生方をよく見るので、常に意識していないといけないのでしょうね。http://www.utp.or.jp/book/b298418.html
②無意味・不適切な言葉は避ける
「「アノー」「ナンカ」「エート」「ソノー」といった意味のない中継ぎ語を極力なくすように努力しましょう」(p.248)
③質問は自分の意見を述べる場ではない
「もっとも悪い質問の仕方は、講演に対する自分の一般的感想や演者に対するお礼やらをくだくだしく述べたてたあげくに、いっこうに要領を得ない問いかけを発するものです。質問にも時間の制約があり、他の人も質問をしたいのですから、要点をまとめて手際よく述べるようにしましょう」(p.249)
「質問というのは、あくまで質問であって、自分の意見を述べる場ではありません。質問というかくれみののもとに、自分の言いたいことをとうとうと述べるというのは、演者のみならず、聴衆に対しても失礼です」(p.249)
④議論を無駄に戦わせようとしない
「ある現象に対して、異なるレベルで別の説明が可能なとき、それぞれの説明は並存できます。なのにそれをあたかも対立関係でとらえようとすると、意味をなさない議論に陥ってしまいます。ここで双方譲らなかったとすると、混迷は深まっても議論はいっこうに進展しないことでしょう。このような場合には、主張や意見を戦わすことをやめて討論を整理する作業に移らなければいけません」(p.250)