2020-01-01から1年間の記事一覧
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 ※下線は引用者 前頭前野の機能低下によって、怒りの感情を抑制できず、衝動的な行動に出てしまうことは前述しました。 しかし実は、理性的な行動を促す前…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 どうすれば、相手の怒りや感情的な言動に振り回されることなく、上手に自分の怒りの気持ちを発散させるような切り返し方ができるのでしょうか。 これらに…
石田敏郎・松浦常夫編著『交通心理学入門』企業開発センター交通問題研究室、2017年より。 運転中には感情的な事態におかれることが頻繁にある。ネガティブな感情、とくに攻撃的な感情は、運転行動に直結し、交通環境に不適応となることが多いと考えられるの…
久木田水生・神崎宣次・佐々木拓『ロボットからの倫理学入門』名古屋大学出版会、2017年より。 近年の心理学などの分野で得られた知見が明らかにするところによれば、私たちの自然な認知と感情はたやすく敵と味方という対立の構図を作り、そして敵を警戒し憎…
久木田水生・神崎宣次・佐々木拓『ロボットからの倫理学入門』名古屋大学出版会、2017年より。 シェリー・タークルは、情報技術の発展が人と人との直接的なつながりを減じさせていることを危惧しています。情報技術は私たちが世界中の多くの人々とつながるこ…
加藤尚武『戦争倫理学』ちくま新書、2003年より。 世界中の「世論」が、戦争に向かって走り出したときに、踏みとどまって、世界が狂気に陥っており、自分こそが正気であると言えるために、私たちは自分自身の位置を正確に測定できるような、羅針盤を持たなく…
小谷野敦『すばらしき愚民社会』新潮社、2004年(単行本)より。 現在の「大衆社会」が、それまでのものと異なるのは、以前は「バカが大学へ入っている」程度で済んでいたものが、「バカが意見を言うようになった」点である。(p.109) もちろん、昔だってバ…
小谷野敦『すばらしき愚民社会』新潮社、2004年(単行本)より。 日本ではポパーは人気がないらしい。そもそもポパーは、マルクスやフロイトのような、読む人を興奮させるような議論を否定する。それはアラン・ソーカルが、クリステヴァやラカンを否定するの…
カミュ『ペスト』新潮文庫、1969年より。 本棚に眠っていたこの本を手に取ったのは何十年ぶりだろう。ウィルスで世間の目が血走っている時だからこそ思い出したのかも知れない。 ※太字による強調は引用者 美しい行為に過大の重要さを認めることは、結局、間…
内田樹『「おじさん」的思考』晶文社、2002年(ハードカバー版)より。 「教師に成績査定や単位認定の権利が与えられているのは、教師が「知のありかを知っているもの」とみなされているからであって、その逆ではない。 もちろん現実には制度的権限だけでか…
優れた専門家は米国にも日本にもいる。大きな違いは、それを冷静に受け入れ節度を持って行動できる国民と、受け入れられずパニックに陥る愚民ぶりを曝け出す国民の差。 https://www.washingtonpost.com/health/2020/02/26/how-to-prepare-for-coronavirus/?a…
上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』青土社、1998年より。 「最近の報道によれば(『朝日新聞』1997.8.26)スウェーデン政府は、一九三五-七六年にかけて「劣った人」「多産の独身女性」「異常者」「ジプシー」など六万人の人々に、断種法にもとづい…
シンシア・エンロー『策略:女性を軍事化する国際政治』岩波書店、2006年より。 「「それで?」と人々は尋ねるかもしれない。国際政治の本は「私は何かできる」という感覚を読者にもたせるべきだ。なのに多くの国際政治の本はそうしていない。……人々は「国際…
幻冬舎のサイトに載っていたマルクスの『賃労働と資本』のレビューが面白かったので、備忘録に残しておきます。 坂口孝則「カール・マルクス『賃労働と資本』で気づく 日本人の給料が上がらないのは牛丼が安いままだからかもしれない」より。 https://www.ge…
シンシア・エンロー『策略:女性を軍事化する国際政治』(上野千鶴子監訳、佐藤文香訳)岩波書店、2006年より。 「小学六年生の沖縄の少女をレイプして起訴された、三人の若いアメリカ人男性の誰にも前科はなかった。三人とも、テキサス州やジョージア州の貧…
J. アン・ティックナー『国際関係論とジェンダー:安全保障のフェミニズムの見方』(進藤久美子・進藤榮一訳)岩波書店、2005年より。 ※下線・強調は引用者。 「一九六〇年代初頭に、エール大学国際関係プログラムの三人の女子大学院生の中のひとりになった…
田嶋陽子『愛という名の支配』新潮文庫、2019年より。 「私が講師をしていた花婿学校での話なんですが、ある受講生の男性がつきあっている女性に「きみ、タバコやめなよ」と言ったら、その女性は「私の勝手でしょ」と答えたそうです。それで彼は、「自分はそ…
田嶋陽子『愛という名の支配』新潮文庫、2019年より。 「たとえば、セクハラがそうですよ。「きみ、有能だね、仕事できるね」って握手するとしますよね。そのときに、ついでに「きみのバスト、おいしそう」って目で胸をジロジロ見たり触ったりするのと、おな…
田嶋陽子『愛という名の支配』新潮文庫、2019年より。 「「生きる」とは、パンを稼ぐこと、仕事をすること。つまり、自分の世界をもつことです。仕事は替えてもいいから、やりつづけなくちゃいけない。人生にとって恋愛や結婚や子育ては、そこから生い茂って…
田嶋陽子『愛という名の支配』新潮文庫、2019年より。 ※下線・強調は引用者 「自分の子どもとはいえ、人格をもった人間です。人生の進路まで親の思いどおりに決めようなんて、邪道もいいところです。チンケな権力欲は捨てて、ひたすら子どもを信じたほうが勝…
「人は、他人のために闘うほうが闘いやすいのです。でも、自分のために闘いだしたとき、人はやっとひとりの人間になれるのです」(田嶋陽子『愛という名の支配』新潮文庫、2019年、p.201)
田嶋陽子『愛という名の支配』新潮文庫、2019年より。 「ほんとうに自分のしたいことを見つけるのはとてもむずかしい。私にも、そのときどきの出会いによって進む方向が決まった、また、思いきってひとつひとつ自分のイヤなものを捨てていったらこうなった、…
田嶋陽子『愛という名の支配』新潮文庫、2019年より。 「いま、専業主婦の人たちを見ていると、なんであんなに教育熱心になっちゃうのかなと不思議に思います。ただ、私なりの見方をすれば、その熱心さは母親という役割を全うするために、夢も自分の人生もあ…