2020-01-01から1年間の記事一覧
岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 日本の医療者は、絶望的なまでに英語力が欠如しています。医師も、看護師も、その他多くの医療者も。(中略)これからは2ヵ月弱で医学知識が倍加する時…
岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 医療機関の場合、個人情報の保護と情報公開のバランスは、いつも難しい問題です。 基本的に、個人を特定しうる情報は一切公表してはいけません。これが…
岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 質問をする能力というのは、「私には分かりません」と認識する能力のことを言います。私にはここが分かっていない、理解できていない、という自覚がある…
岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 海外の方には「日本人は質問をしない」とよく言われます。それに対して、日本人はシャイだから、とよく説明されます。それもあるとは思います。講演のと…
岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 プレゼンテーションについては、最近はTEDなど、上手なプレゼンのひな形が出てきました。医療においては、ケアネットなど、エンターテインメント性を持…
岩田健太郎『「感染症パニック」を防げ!――リスク・コミュニケーション入門』光文社新書、2014年より。 以下の引用箇所、全くもって岩田先生の言う通りだと思うけれど、人間の嫉妬心・ルサンチマンがどれほど強力で破壊的かを侮るべきではないと思う。それを…
押谷仁「感染症のグローバル・リスク」遠藤乾編『シリーズ日本の安全保障8 グローバル・コモンズ』岩波書店、2015年、pp.155-184より。 それまでどこにも存在しなかった病原体(ウイルスや細菌など)が突然出現するのではなく、通常はそれまで他の種に感染…
釘原直樹『グループ・ダイナミックス――集団と群集の心理学』有斐閣、2011年より。 ミルグラムは、あらかじめ設定された目標人物と、2000km以上も遠く離れた、目標人物とはまったく面識がない人物(手紙の発信者)を、間に何人の知人を連鎖的につなぐことによ…
釘原直樹『グループ・ダイナミックス――集団と群集の心理学』有斐閣、2011年より。 流言の例として下記のようなものがある。 ①商品に関する流言 次のようなものがある。「マクドナルド・ハンバーガーで使用されているハンバーグの肉はミミズ」「ケンタッキー…
ポール・シャーレ(伏見威蕃訳)『無人の兵団―AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』早川書房、2019年より。 ※下線は引用者 ジュネーヴ諸条約は、彼もしくは彼女が(a)捕らえられるか、(b)“降伏の意図を明確に示す”か、(c)“怪我か病気で意識を失って…
P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』(小林由香里訳)NHK出版、2010年より。 今後数十年間に、「自然な」人間と「増強」もしくは「拡張」された人間とに分裂が進むだろうと、科学者たちは考えている。軍の人間が真っ先にそうした増強された力を獲得するこ…
www.youtube.com この映画を見るまでスティーヴン・ホーキングのことをほとんど何も知らなかった。 現実があまりにも苛酷すぎて、善意も恋も愛も何もかもが色あせて無力に見えるのに、また新しい愛が次から次とやってきて、現実の苛酷さを和らげていく。 妻…
アイスランドの調査で陽性判明者の半分が無症状、米コロンビア大の硏究で、武漢での感染爆発初期の感染者の86%が無症状の人から感染した可能性。The Japan Times記事より。 www.japantimes.co.jp
コロナ収束後NYから感染リスクの高い高齢者や大企業の本社が大挙して出て行き、街は貧しくなるが若者や移民には住みやすい街になるだろうと記事は言っています。ただ、市内でも免疫を持つ者と持たない者の間で生活空間の分離が進むだろうとも。 www.japantim…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 ※強調・下線は引用者 アメリカ国民は、自国の政治経済制度がもたらすものについて、ますます現実離れした期待を抱くようになっている。この権利意識は、人々が「専門家…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 テレビのニュース番組では、連日コロナウイルスの感染拡大がとりあげられている。そしてそこに出演している感染症の専門家たちが、毎日毎日くりかえし「今後どうなって…
オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』角川文庫、1967年より。 今日の著述家は、自分が長年にわたって研究してきたテーマについて論文を書こうとしてペンを執る時には、そうした問題に一度も関心を持ったことのない凡庸な読者がもしその論文を読むとすれば、…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 著者は反知性主義の伝統が根強いアメリカのことを話しているのだが、これは日本も含め現在世界の至る所で起こっていることだろう。 評論家やアナリストがやんわりと「…
キャサリン・マッカラバ、ウィリアム・B・カレシュ「パンデミックの社会・経済コストーー予防とコスト分担の国際的仕組みを」『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 ※強調・下線は引用者 この2週間というもの、世界の株式市…
ヘンリー・ファレル、アブラハム・ニューマン「ウイルスが暴いたシステムの脆弱性――われわれが知るグローバル化の終わり」『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 新型ウイルスが拡散するにつれて、最悪の誘惑に屈する政府も…
村上陽一郎氏の著作には学生の頃大変お世話になりました。『新しい科学論―「事実」は理論をたおせるか』(講談社ブルーバックス)は思い出の一冊です。 「人は危機的な状況に陥ると不確かな情報に飛びつきやすい。不安や怒りに駆られ、ものごとを即断してし…
感染そのものよりも差別の方が怖くなって、そのうち感染しても申告しなくなる人が増えそうですね。誰にとってもマイナスでしかない。 mainichi.jp
ブランコ・ミラノビッチ「パンデミックによる社会破綻――経済政策で社会崩壊を阻止するには――」『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 世界は、これから非常に大きな変化に直面していくことになるだろう。自給自足的な「自然…
『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 最新号は「コロナウィルス後の経済と社会」特集号です。掲載されている全ての論文が興味深い内容です。 ブランコ・ミラノビッチ(ニューヨーク市立大学シニアスカラー)による巻頭論文…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 誰でも会ったことがあるはずだ。職場の同僚だったり、友人だったり、親戚だったり。若かったり、年寄りだったり、金持ちだったり、貧しかったり。教育を受けた者もいれ…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 たしかに専門知は、いらなくなったわけではないが、窮地に陥っている。ひどくまずいことになっている。アメリカ合衆国はいまや、みずからの無知を礼賛する国になってし…
P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』(小林由香里訳)NHK出版、2010年より。 ※強調・下線は引用者 科学やビジネスはもちろん、気象の領域でさえ、未来に目を向けるのはごく当たり前のことだ。ところが戦争の研究においては、未来の予測と、それ以上に重要…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 ※強調は原文 やる気や責任感というものは誰もが持ちうるものではないので、それは素晴らしいことです。しかし、私がこれまで出会った責任感が強い人には“…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 セロトニンは“安心ホルモン”とも呼ばれる脳内ホルモンです。たくさん分泌されているとリラックスして、満ち足りた気持ちになります。逆に少ないと不安を感…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 ※下線は引用者 あおられるだけでなく、相手が車から降りてきて、車をバンバン叩いて「車から降りろ」などと怒りをあらわにするような状態は、ドーパミンが…