釘原直樹『グループ・ダイナミックス――集団と群集の心理学』有斐閣、2011年より。 ミルグラムは、あらかじめ設定された目標人物と、2000km以上も遠く離れた、目標人物とはまったく面識がない人物(手紙の発信者)を、間に何人の知人を連鎖的につなぐことによ…
釘原直樹『グループ・ダイナミックス――集団と群集の心理学』有斐閣、2011年より。 流言の例として下記のようなものがある。 ①商品に関する流言 次のようなものがある。「マクドナルド・ハンバーガーで使用されているハンバーグの肉はミミズ」「ケンタッキー…
ポール・シャーレ(伏見威蕃訳)『無人の兵団―AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』早川書房、2019年より。 ※下線は引用者 ジュネーヴ諸条約は、彼もしくは彼女が(a)捕らえられるか、(b)“降伏の意図を明確に示す”か、(c)“怪我か病気で意識を失って…
P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』(小林由香里訳)NHK出版、2010年より。 今後数十年間に、「自然な」人間と「増強」もしくは「拡張」された人間とに分裂が進むだろうと、科学者たちは考えている。軍の人間が真っ先にそうした増強された力を獲得するこ…
www.youtube.com この映画を見るまでスティーヴン・ホーキングのことをほとんど何も知らなかった。 現実があまりにも苛酷すぎて、善意も恋も愛も何もかもが色あせて無力に見えるのに、また新しい愛が次から次とやってきて、現実の苛酷さを和らげていく。 妻…
アイスランドの調査で陽性判明者の半分が無症状、米コロンビア大の硏究で、武漢での感染爆発初期の感染者の86%が無症状の人から感染した可能性。The Japan Times記事より。 www.japantimes.co.jp
コロナ収束後NYから感染リスクの高い高齢者や大企業の本社が大挙して出て行き、街は貧しくなるが若者や移民には住みやすい街になるだろうと記事は言っています。ただ、市内でも免疫を持つ者と持たない者の間で生活空間の分離が進むだろうとも。 www.japantim…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 ※強調・下線は引用者 アメリカ国民は、自国の政治経済制度がもたらすものについて、ますます現実離れした期待を抱くようになっている。この権利意識は、人々が「専門家…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 テレビのニュース番組では、連日コロナウイルスの感染拡大がとりあげられている。そしてそこに出演している感染症の専門家たちが、毎日毎日くりかえし「今後どうなって…
オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』角川文庫、1967年より。 今日の著述家は、自分が長年にわたって研究してきたテーマについて論文を書こうとしてペンを執る時には、そうした問題に一度も関心を持ったことのない凡庸な読者がもしその論文を読むとすれば、…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 著者は反知性主義の伝統が根強いアメリカのことを話しているのだが、これは日本も含め現在世界の至る所で起こっていることだろう。 評論家やアナリストがやんわりと「…
キャサリン・マッカラバ、ウィリアム・B・カレシュ「パンデミックの社会・経済コストーー予防とコスト分担の国際的仕組みを」『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 ※強調・下線は引用者 この2週間というもの、世界の株式市…
ヘンリー・ファレル、アブラハム・ニューマン「ウイルスが暴いたシステムの脆弱性――われわれが知るグローバル化の終わり」『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 新型ウイルスが拡散するにつれて、最悪の誘惑に屈する政府も…
村上陽一郎氏の著作には学生の頃大変お世話になりました。『新しい科学論―「事実」は理論をたおせるか』(講談社ブルーバックス)は思い出の一冊です。 「人は危機的な状況に陥ると不確かな情報に飛びつきやすい。不安や怒りに駆られ、ものごとを即断してし…
感染そのものよりも差別の方が怖くなって、そのうち感染しても申告しなくなる人が増えそうですね。誰にとってもマイナスでしかない。 mainichi.jp
ブランコ・ミラノビッチ「パンデミックによる社会破綻――経済政策で社会崩壊を阻止するには――」『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 世界は、これから非常に大きな変化に直面していくことになるだろう。自給自足的な「自然…
『フォーリン・アフェアーズ・リポート』(日本語版)2020年 No.4より。 最新号は「コロナウィルス後の経済と社会」特集号です。掲載されている全ての論文が興味深い内容です。 ブランコ・ミラノビッチ(ニューヨーク市立大学シニアスカラー)による巻頭論文…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 誰でも会ったことがあるはずだ。職場の同僚だったり、友人だったり、親戚だったり。若かったり、年寄りだったり、金持ちだったり、貧しかったり。教育を受けた者もいれ…
トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(高里ひろ訳)みすず書房、2019年より。 たしかに専門知は、いらなくなったわけではないが、窮地に陥っている。ひどくまずいことになっている。アメリカ合衆国はいまや、みずからの無知を礼賛する国になってし…
P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』(小林由香里訳)NHK出版、2010年より。 ※強調・下線は引用者 科学やビジネスはもちろん、気象の領域でさえ、未来に目を向けるのはごく当たり前のことだ。ところが戦争の研究においては、未来の予測と、それ以上に重要…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 ※強調は原文 やる気や責任感というものは誰もが持ちうるものではないので、それは素晴らしいことです。しかし、私がこれまで出会った責任感が強い人には“…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 セロトニンは“安心ホルモン”とも呼ばれる脳内ホルモンです。たくさん分泌されているとリラックスして、満ち足りた気持ちになります。逆に少ないと不安を感…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 ※下線は引用者 あおられるだけでなく、相手が車から降りてきて、車をバンバン叩いて「車から降りろ」などと怒りをあらわにするような状態は、ドーパミンが…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 ※下線は引用者 前頭前野の機能低下によって、怒りの感情を抑制できず、衝動的な行動に出てしまうことは前述しました。 しかし実は、理性的な行動を促す前…
中野信子『キレる!:脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』小学館新書、2019年より。 どうすれば、相手の怒りや感情的な言動に振り回されることなく、上手に自分の怒りの気持ちを発散させるような切り返し方ができるのでしょうか。 これらに…
石田敏郎・松浦常夫編著『交通心理学入門』企業開発センター交通問題研究室、2017年より。 運転中には感情的な事態におかれることが頻繁にある。ネガティブな感情、とくに攻撃的な感情は、運転行動に直結し、交通環境に不適応となることが多いと考えられるの…
久木田水生・神崎宣次・佐々木拓『ロボットからの倫理学入門』名古屋大学出版会、2017年より。 近年の心理学などの分野で得られた知見が明らかにするところによれば、私たちの自然な認知と感情はたやすく敵と味方という対立の構図を作り、そして敵を警戒し憎…
久木田水生・神崎宣次・佐々木拓『ロボットからの倫理学入門』名古屋大学出版会、2017年より。 シェリー・タークルは、情報技術の発展が人と人との直接的なつながりを減じさせていることを危惧しています。情報技術は私たちが世界中の多くの人々とつながるこ…
加藤尚武『戦争倫理学』ちくま新書、2003年より。 世界中の「世論」が、戦争に向かって走り出したときに、踏みとどまって、世界が狂気に陥っており、自分こそが正気であると言えるために、私たちは自分自身の位置を正確に測定できるような、羅針盤を持たなく…
小谷野敦『すばらしき愚民社会』新潮社、2004年(単行本)より。 現在の「大衆社会」が、それまでのものと異なるのは、以前は「バカが大学へ入っている」程度で済んでいたものが、「バカが意見を言うようになった」点である。(p.109) もちろん、昔だってバ…